Japanese
English
特集 呼吸リハビリテーションの新しい展開
呼吸リハビリテーションの展開
Future direction of pulmonary rehabilitation
海老原 覚
1
,
宮城 翠
1
,
伊豆蔵 英明
1
,
三田 乃理子
1
,
大国 生幸
1
Satoru Ebihara
1
,
Midori Miyagi
1
,
Hideaki Izukura
1
,
Noriko Mita
1
,
Ikuko Okuni
1
1東邦大学医療センター大森病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Toho University Omori Medical Center
キーワード:
慢性閉塞性肺疾患
,
遠隔医療
,
栄養
,
PRISm
Keyword:
慢性閉塞性肺疾患
,
遠隔医療
,
栄養
,
PRISm
pp.1035-1038
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202352
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本邦における呼吸リハビリテーションの展開
呼吸リハビリテーションとは,さまざまな原因で呼吸器に障害が生じた患者に対して,可能な限り機能を回復,あるいは維持することで,症状を改善し,患者自身が自立した日常や社会生活を送れるように継続的に支援する医療全般を指す.
これまでの本邦の呼吸リハビリテーションにはいくつかの変遷がみられる.まず黎明期において,呼吸リハビリテーションは肺理学療法・胸部理学療法(chest physical therapy)と呼ばれ,体位ドレナージや徒手的排痰法中心の時代があった.その次に,次第に呼吸器疾患慢性期において,運動療法を中心とした呼吸リハビリテーションがガス交換(換気)・呼吸困難・運動耐容能向上の効果があることが明らかにされ,呼吸理学療法(respiratory physical therapy)に進化してきた.そして,現在は運動療法だけでなく,薬物療法を同時に組み合わせたり,教育や日常生活整備・訓練などを多職種で行うチームアプローチの重要性が広く認知され,包括的呼吸リハビリテーション(comprehensive respiratory rehabilitation)全盛の時代となっている.今後の展開として興隆が予想されるのは,オンラインデバイスを利用した,遠隔医療としての遠隔呼吸リハビリテーションであろう(図).この流れは,本邦においても政府の政策と相まって止められないものと考えられ,またのちに述べる呼吸リハビリテーションの特性と相まって,遠隔呼吸リハビリテーションは呼吸リハビリテーションの中の重要な要素となっていくだろう.
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