連載 印象に残ったリハビリテーション事例
くも膜下出血の後遺症で重度の嚥下障害と高次脳機能障害を呈した症例—自宅復帰に向けた長期的なかかわり
稲川 利光
1
1原宿リハビリテーション病院
キーワード:
高次脳機能障害
,
嚥下障害
,
気管切開
,
抗精神病薬
,
つながるリハビリテーション
Keyword:
高次脳機能障害
,
嚥下障害
,
気管切開
,
抗精神病薬
,
つながるリハビリテーション
pp.413-415
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202205
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はじめに
くも膜下出血後遺症の患者さんである.発症時,救命のために気管切開を受けた.その後,重度の嚥下障害で気管切開は閉鎖できずに経過した.そして,胃瘻も造設された.高次脳機能障害が顕著に残存し,不穏や興奮,暴力行為などがみられた.発症後約1年8か月の期間を経て,徐々に患者さんの症状は落ち着き経口摂取も可能となり,奥さんと二人の生活をとり戻すことができた.
病院から施設,施設から在宅へと患者さんが移行していくなかで,私たちがかかわらせていただく期間は回復期リハビリテーション病棟における一部分である.この患者さんを通じて,私たちには,診療点数上定められた期間では遂行できない重要な課題があり,退院後も長期に渡る関わりが必須であることを改めて感じた.
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