第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 構造教育講演◎高次脳機能障害対応
くも膜下出血による高次脳機能障害
大沢 愛子
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1国立長寿医療研究センターリハビリテーション科,自立支援開発研究部認知行動科学研究室
pp.782-786
発行日 2014年12月18日
Published Date 2014/12/18
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はじめに
くも膜下出血は脳を覆う髄膜のうち,くも膜と軟膜の間のくも膜下腔に出血が生じ,脳脊髄液中に血液が混入した病態のことをいう.本邦での年間発症率は10万人あたり約20人で,脳卒中全体に占める割合は約10%である1).突然の強い頭痛,嘔吐,意識障害,痙攣などで発症することが多く,8割以上は脳動脈瘤破裂によるものである.その病態は重篤で,致死率が高いだけでなく,救命し得ても様々な高次脳機能障害を伴うことが多く,日常生活や社会生活への復帰の妨げとなる.そのため,リハビリテーション(以下,リハ)医療分野においても重要な疾患として位置づけられている.本稿では,リハ科に紹介されたくも膜下出血の症例を紹介し,高次脳機能障害の原因やその特徴について述べる.
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