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入門講座 認知行動療法・1【新連載】
認知行動療法の基礎とリハビリテーションにおける応用
Basics of cognitive behavioral therapy and applications in rehabilitation
大嶋 伸雄
1
Nobuo Ohshima
1
1東京都立大学大学院人間健康科学研究科
1Graduate School of Human Health Sciences, Faculty of Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
キーワード:
認知行動療法
,
身体障害
,
気づき
Keyword:
認知行動療法
,
身体障害
,
気づき
pp.269-276
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202178
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リハビリテーションに認知行動療法を用いる意義と意味
1.認知行動療法がなぜリハビリテーションに役立つのか
現在のリハビリテーションにおいて,多くのセラピストが誤認していることが一つある.それは「リハビリテーションを実際に行うのは患者・クライエントである」という事実である1,2).医学的リハビリテーションはリハビリテーションの一分野であり,それがすべてではない.すべての障害を治癒できないのであれば,障害を抱えながら長い人生を生き抜く患者・クライエント(client;CL)自身がそれを克服する術を知らなければならない3).そのためのリハビリテーションとしては「治療」よりも,むしろ「教育的鍛錬」に重点を置くべきであるが,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士はそうした教育を受けていない1).そこで,認知行動療法(cognitive behavioral therapy;CBT)の特徴である「CL自身が自分の状況を客観的に気づき対処する能力を身に付ける」ような教育的心理アプローチが重要性を持つことになる1,2).
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