巻頭言
医療・リハビリテーションにおける3D技術を活用した義肢装具製作提供サービスの現状と展望
東江 由起夫
1
1新潟医療福祉大学リハビリテーション学部義肢装具自立支援学科
pp.515
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201959
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,欧米の義肢装具分野では3D Scannerを用いた3D computer aided design/computer aided manufacturing(CAD/CAM),3D CAD/Printerを活用した3D技術の導入による義肢装具製作提供サービスが積極的に進められている.またわが国でも3D技術の一つである3D CAD/CAMを導入し,これらのサービスを展開する企業が増えつつある.さらに最近の産業界では3D Printerの開発が3D CAD/CAMに代わる最先端のものづくり技術として注目を浴びており,義肢装具分野でも3D-Printerを活用したこれらのサービスの実用化に向けたさまざま取り組みや研究が行われつつある.
しかし,わが国の義肢装具分野でこのような3D技術を本格的に活用するには,医療・リハビリテーションに関する制度などの整備が必要である.特にこれらの技術に必要不可欠な3D Scannerによる生体形状の取得行為(スキャン行為)は,義肢装具士が業とするギプス包帯などの印象材による採寸・採型による生体形状の取得に相当するため,導入にあたってはその行為を明確にし,整合性を図る必要がある.また医師による採型指導料についても検討が必要である.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.