カラーシリーズ 義肢・装具・2
義肢・装具の製作と材料
鋤園 栄一
1
1大阪厚生年金病院
pp.98-101
発行日 1980年2月25日
Published Date 1980/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906061
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わが国における義肢,装具の製作技術や,使われる材料は,最近の工学技術と化学の進歩によって,めざましい変化を遂げつつある.その代表的な義肢が工学関係では,骨格型義肢(skeletal type)のmodular prostheses(部品の接続によって組立てられる義肢)であり筋電義手(myoelektrisch Hand)に代表され,化学的な材料面では,合成樹脂(plastics)や,炭素繊維(carbon fiber)である.しかしこの材料や技術も使い方を誤ると,その効果を十分に発揮することができない.われわれ義肢装具技術者は,欧米を始め国内でも多くの講習会や研修会を通じて正しい材料の使い方と製作技術の平均化を目標として今日にいたっている.また,一方では労働省の技能検定によって製作技術の評価もなされ少なくともレベルアップに連がっている.そこでこの機会を通じ実際面での製作方法と,材料の使用法についてその一部を紹介する.
まず義肢,装具を作るために大切な2つのポイントは,採型と組立である.一般的には,適合(fitting)と,軸位(alignment)といわれている.ソケットやカフの適合(socket and cuff fit)を決定づける工程を次のように分析する.
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