病院の新しい職種
義肢装具製作者
松田 宏務
1
1兵庫県リハビリテーションセンター義肢装具開発課
pp.60
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205758
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現在,わが国において,義肢装具製作者と呼ばれている人たちは,民間・公立を問わず,病院と離れた場所に作業場を持ち,週に何度か病院に出張して,義肢や装具の製作修理などを行っている場合が,ほとんどである.しかしながら,障害者の早期リハビリテーションに重きを置いた場合,義肢装具製作者が病院に常駐して,入院時からの患者の状態を把握しながら,義肢装具の製作に結びつけることが必要と考えられる.
義肢装具製作者が,病院に常駐した場合の利点をあげると,①入院時から退院時まで常に患者と接触することができるため,患者の身体的心理的な状態を把握しやすい.②手術を見学することにより,手術の方法や断端などの状態が把め,義肢装具を製作する時の参考になる.③仮合せ後の歩行訓練中などにトラブルがあった場合,調整までの間のブランクが少ないなどである.また当センターで行っている術直後義肢装着法では,義肢製作者が必ず病院に常駐し,医師,セラピスト,ナースなどの医療スタッフと常に連絡をとりながら,断端や仮義肢の管理を行うことが原則となっている.
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