集中講座 評価法の使い方 シリーズ1 総論④・第5回
高次脳機能障害
原 寛美
1
Hiroyoshi Hara
1
1社会医療法人ささき会藍の都脳神経外科病院ニューロリハビリテーションセンター
キーワード:
高次脳機能障害
,
認知機能検査法
,
エビデンスに依拠した検査法
,
妥当性
,
信頼性
,
反応性
Keyword:
高次脳機能障害
,
認知機能検査法
,
エビデンスに依拠した検査法
,
妥当性
,
信頼性
,
反応性
pp.483-489
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201950
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2004年に高次脳機能障害支援モデル事業による高次脳機能障害診断基準1)が策定された.その中で,「脳の器質的病変に起因する日常生活または社会生活上の障害であり,主たる原因として,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害などの認知機能障害」が,それまでの失語・失行・失認に加えて,高次脳機能障として位置づけられた.さらに,高次脳機能障害に対する,精神保健福祉手帳,障害年金(精神の障害)と自立支援医療の診断書の作成が可能となった.
そのような流れのなかで,高次脳機能障害の診断・評価はリハビリテーション医療の日常診療で必須のタスクとなっており,診断書には評価としての神経心理検査結果を記述することが必要とされる.また自動車損害賠償責任保険や労働者災害補償保険における診断書記載においても,客観的な検査法を用いることによる病状の詳記が求められている.さらにリハビリテーション治療介入効果を論じるうえで,アウトカム評価としての認知機能検査が必要となる.
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