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はじめに
管理栄養士の業務は2000年以降,大きく変化してきた.この年,管理栄養士の身分を定義づけする栄養士法が改正され,これまで「栄養の指導」という表現にとどまっていた業務が,① 傷病者に対する療養のための栄養指導,② 個人の状態に応じた健康保持・増進のための栄養指導,③ 給食施設における給食管理および給食対象者の栄養指導と具体化された.その後,介護報酬や診療報酬において,栄養管理に関する報酬が認められるようになり,栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)加算,経口維持加算,経口移行加算などチームアプローチへの参画も求められるようになっていった.このような変化に合わせるように卒前教育や卒後教育も見直しされてきた.現在はまだその変化の過程にあるといえるだろう.
嚥下障害に対する管理栄養士のかかわりについては,2016年に転機があった.栄養指導業務において,診療報酬が得られる対象に,「摂食機能若しくは嚥下機能が低下した患者」が加わったのである.これには,「医師が,硬さ,付着性,凝集性などに配慮した嚥下調整食(日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類に基づく.)に相当する食事を要すると判断した患者であること.」と付記された.後述するが,同じ2016年度には,公益社団法人日本栄養士会(The Japan Dietetic Association;JDA)と日本摂食嚥下リハビリテーション学会(The Japanese Society of Dysphagia Rehabilitation;JSDR)が,「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」の育成・認定を行う共同認定制度の運営を開始した.JSDRは多職種が参加する学会であるが,管理栄養士・栄養士の会員の増加率もこのころから大きくなっており,現在もその傾向にある.管理栄養士の摂食嚥下リハビリテーションへの関心が高まっていることが伺える.
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