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特集 摂食嚥下リハビリテーションの未来—各専門職に何ができるか
看護師にできること
Current status and prospects of nurses for dysphagia rehabilitation
浅田 美江
1
Mie Asada
1
1公益社団法人愛知県看護協会
1Aichi Nursing Association
キーワード:
摂食嚥下リハビリテーション
,
看護
,
役割
,
未来
Keyword:
摂食嚥下リハビリテーション
,
看護
,
役割
,
未来
pp.747-752
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201715
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はじめに
少子高齢化が進み,2017年10月1日時点で高齢化率は27.7%に達した1).加齢により嚥下機能は低下し,摂食嚥下障害を呈する疾病への罹患者も増加する.要介護高齢者で経口摂取を行う者のうち,嚥下障害を有する割合は35.5%であったという調査報告があり2),高齢者の急増は摂食嚥下障害者の増加に直結すると推測される.
こうしたなか,医療・福祉の現場では,地域包括ケアシステムの構築に向けた事業が展開され,急性期病院における在院日数短縮化と在宅への移行が進められている.短い入院期間の中で効率的に,かつ切れ目のない摂食嚥下リハビリテーションを提供するためには,多職種連携によるチーム医療の推進や施設間連携が不可欠である.
また,2017年に提示された『新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書』3)では,「看護師は多様かつ複雑な患者の医療・生活ニーズに寄り添い,多職種と連携しながら患者のケアを中心的に担うとともに,補助的な医行為を行うなどして医師の補完的役割を担い,今後の我が国の医療では極めて大きな役割を担い得る職種」とある.看護師には,タスクシフティング・タスクシェアリングの観点からも,役割拡大が期待されている.現状をふまえ,本稿では,看護師の特色と現状の教育,専門制度の状況等から,看護師が嚥下リハビリテーションにおいて今後どのように力を発揮しうるかについて考えてみたい.
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