特集 地域包括ケアシステムと訪問理学療法
地域包括ケアシステムについて
井上 智貴
1
Tomotaka Inoue
1
1厚生労働省老健局老人保健課
pp.875-881
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102591
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地域包括ケアを巡る現状
わが国の65歳以上の人口は,2005年には総人口の20%を超え,最近の統計では既に22%に迫るなど,本格的な「超高齢社会」を迎えている.戦後一貫して増加傾向が続いた総人口も,少子化などにより既に減少に転じている1~3)(図1).
こうした急速な高齢化・少子化の進展に伴い,高齢者を中心とした医療費の急激な増加,将来の年金制度や介護に対する不安など,高齢者の保健福祉の様々な面で,わが国は大きな課題を抱えている.特に介護問題は,高齢化に伴い,重度要介護者,認知症を有する高齢者が増えるなかで,核家族化により家族介護に頼れない状況も多く,高齢者の生活にかかわる最大の不安要因となっている.
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