Japanese
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特集 ICUリハビリテーションにおける多職種連携
せん妄
Delirium
児島 範明
1,2
,
松木 良介
1,2
,
端野 琢哉
2,3
Noriaki Kojima
1,2
,
Ryosuke Matsuki
1,2
,
Takuya Hashino
2,3
1関西電力病院リハビリテーション部
2関西電力医学研究所
3関西電力病院救急集中治療センター
1Department of Rehabilitation, Kansai Electric Power Hospital
2Kansai Electric Power medical research institute
3Department of emergency and intensive care medicine center, Kansai Electric Power Hospital
キーワード:
せん妄モニタリング
,
複合的な非薬物療法介入
,
認知機能低下
Keyword:
せん妄モニタリング
,
複合的な非薬物療法介入
,
認知機能低下
pp.657-663
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201690
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注目を集めるICUでのせん妄とリハビリテーション職種の認識
集中治療領域において,臨床上よく出会う症候であるせん妄は,治療に難渋する脳の急性機能不全である.集中治療室(intensive care unit;ICU)でせん妄を発症した患者は,入院が長期化し医療費の増加や死亡率が高くなることが報告されている.また,ICU滞在中のせん妄はICU退室後の認知機能障害と密接に関係しており,せん妄期間が長くなるほど退院3か月後・12か月後に認知機能が有意に低下すると報告1)されている.それゆえに,集中治療領域におけるせん妄への関心は高まっており,解決すべき主要な問題点の1つと認識されている.
このICUのせん妄への対策は,2013年の米国集中治療医学会より発表された「Clinical practice guideline for the management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the intensive care unit」(PAD Guideline)2),日本では2014年に日本集中治療医学会より発表された「日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン」(J-PAD Guideline)3)を基に実施されている.また昨年,海外においてPAD Guideline2)にImmobility(不動)とSleep(睡眠)を加えたPADIS Guideline4)が発表され,集中治療領域で働く医療職が連携し多様な問題に対して専門性を発揮していくことが求められている.
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