在宅リハビリテーション・サービスと機能訓練教室

Visiting Rehabilitation Service and Functional Training Class for the Physically Handicapped.

はじめに

　老人のリハビリテーション（リハビリテーションは以下リハと略す）を進めるには，一般病院における早期リハ医療と，在宅を基盤にしたリハ・サービスを両輪とした地域リハ・システムの確立が必要である．そのためには，早期リハ医療の充実をはじめとする施設整備が重要であることはもちろんであるが，さらに在宅を基盤にしたリハ・サービスの内容を，現状のような訪問看護，往診あるいは巡回相談というレベルから，各地域毎に組織されたリハ・チームによる総合的な在宅リハ・サービスにまで高めなければならない．そのために老人保健法に基づく「機能訓練教室」や，いわゆる中間施設としての「老人保健施設」などとの間にも一貫した関係をつくり上げる必要があろう．

　そこで，ここでは横浜市において昭和59年以来試行してきた在宅リハ・サービスと，保健所を中心に行っている機能訓練事業の現状について報告するとともに，それが地域リハ・システムの中でどのように位置づけられるのか，「老人保健施設」の役割を含めて以下に検討する．