特集 地域包括ケアと病院
地域包括ケアと介護施設
折茂 賢一郎
1
1公益社団法人 地域医療振興協会 西吾妻福祉病院
キーワード:
介護保険施設
,
地域包括ケア
,
多職種協働
,
R4システム
,
ICF staging
Keyword:
介護保険施設
,
地域包括ケア
,
多職種協働
,
R4システム
,
ICF staging
pp.784-787
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102632
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■介護施設の歴史
介護保険制度が始まるかなり以前(昭和の時代)には,“養老院”と呼ばれるものがあった.これは1932年に施行された救護法で規定されたのだが,利用には所得制限があった.1950年に制定された生活保護法により,養老院という名称は“養老施設”に変更された.その後1963年に制定された老人福祉法によって老人ホーム(特別養護老人ホーム)に改称されたが,画期的なことは,所得制限の廃止と,身体,精神上の障害のため常に介護が必要で,家での介護が困難な人が対象とされたことであった.
しかし実態は,入所は市町村による“措置”として行われ,その決定は市町村等の福祉事務所が設置する入所判定委員会(自治体職員,医療関係者,福祉関係者,地域の有識者らで構成)においてなされたのだが,明確な判断基準がなかった.その趣旨は“救貧”を目的とし,現在の“契約”による任意・随意の選択によるものとは大違いであった.そして,2000年に始まった介護保険制度により,“介護老人福祉施設”の名称を得て,現在に続いている.
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