連載 リハビリテーション医療に必要な薬物治療・第1回【新連載】
脳梗塞再発予防
平野 照之
1
Teruyuki Hirano
1
1杏林大学医学部脳卒中医学
キーワード:
脳梗塞
,
再発予防
,
危険因子管理
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
Keyword:
脳梗塞
,
再発予防
,
危険因子管理
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
pp.77-80
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201538
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脳卒中は再発しやすい病気である.脳卒中全体で年間再発率は約5%,つまり1年間に20人に1人が再発し,10年間で約半数が再発したというデータもある1).一度,脳卒中を発症した患者は脳卒中を起こす生活習慣や基礎疾患を有しており,新たな脳卒中を起こす可能性が高いためである.近年,脳卒中の主因を占める脳梗塞に注目すると,臨床病型に応じて再発率は異なる.高齢者に多い心原性脳塞栓症の10年間の累積再発率は75%にも及ぶ.また,脳梗塞再発予防に用いる抗血栓薬の不適切使用により,脳出血を発症する例も増えている2).
脳梗塞再発予防の二本柱は,危険因子の徹底管理と適切な抗血栓療法の実施に要約される(図).急性期病院では,診断機器を駆使し詳細な病態把握に基づき再発予防方針を決定している.リハビリテーション病院でも,この方針を引き継ぐことが原則である.本稿では,脳梗塞の臨床病型診断の基本を紹介したうえで,再発予防のための薬物療法を総括する.
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