特集 Common Diseaseの診断・治療の新しい常識
ガイドラインをふまえた日常診療
脳梗塞
橋本 洋一郎
1
,
植田 明彦
1
,
米村 公伸
2
,
釘宮 史仁
2
Youichirou Hashimoto
1
,
Akihiko Ueda
1
,
Kiminobu Yonemura
2
,
Humihito Kugimiya
2
1熊本県立熊本市民病院神経内科
2熊本県立熊本市民病院脳卒中診療科
キーワード:
脳梗塞
,
ガイドライン
,
急性期治療
,
血栓溶解療法
,
再発予防
Keyword:
脳梗塞
,
ガイドライン
,
急性期治療
,
血栓溶解療法
,
再発予防
pp.688-691
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101003
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Case
心原性脳塞栓症の急性期治療
患者:75歳,男性.
既往歴:心房細動による腎梗塞の既往あり,ワルファリン内服中.
現病歴:自宅で右完全片麻痺と全失語が突然発症し,救急車にて,発症後30分で来院.NIH stroke scale 27点(5~22点が血栓溶解療法のよい適応),X線・CTで初期虚血病巣はなく,ワルファリン内服中でINR 1.69(1.5未満が血栓溶解療法の適応)で血栓溶解療法の適応はなく,発症後80分のMRI拡散強調画像で島皮質の高信号域を示し,MRAでは左中大脳動脈の遠位部閉塞を示した.補液,エダラボン,グリセロールで治療を開始し,翌日のCTで出血がないことを確認して,ヘパリンの1万単位の持続点滴とワルファリンの内服を開始し,ワルファリンが治療域になった時点でヘパリンを中止した.48時間後の拡散強調画像では左前頭葉に高吸収域を認め,右片麻痺はほぼ消失し,失語のみとなり,第18病日に歩行でリハビリテーション専門病院へ転院となった.
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