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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
皮膚科手術の際の抗血小板薬の中止指針
Management of patients on anti-platelets undergoing dermatological surgery
松村 由美
1
Yumi MATSUMURA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
脳梗塞
,
心筋梗塞
,
深部静脈血栓症
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
Keyword:
脳梗塞
,
心筋梗塞
,
深部静脈血栓症
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
pp.155-157
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102295
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要約 脳梗塞や虚血性心疾患,あるいは深部静脈血栓症の予防や再発防止のために,アスピリンなどの抗血小板薬やワルファリンなどの抗凝固薬を服用している患者は多い.皮膚科手術の際にこれらの薬剤を中止するか否かについては,中止によるリスクを十分に検討したうえで行うべきである.アスピリンの中止に伴い,脳梗塞または一過性脳虚血発作,急性冠症候群の発症リスクは増加する.ワルファリンの中止に伴い,心原性脳梗塞,深部静脈血栓症のリスクは増加する.一方で,アスピリンやワルファリンの中止をせずに皮膚科手術を施行したとしても,アスピリン投与は出血リスクを増大せず,ワルファリン投与は出血リスクが増大するものの,出血そのものが重篤な転帰に至ることは少ない.以上を勘案すると,皮膚科手術の際には,抗血小板薬や抗凝固薬を中止する必要性は少ないと考える.
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