Japanese
English
調査
二分脊椎症例の成人期における就労状況について—移動能力と排泄管理に着目して
Survey of employment status in the adult spina bifida patients:focusing on their mobility and urinary/bowel control
塚越 祐太
1,2
,
亀ヶ谷 真琴
2
,
森田 光明
2
,
西須 孝
3
,
柿崎 潤
3
,
都丸 洋平
1,2
,
鎌田 浩史
1
,
山崎 正志
1
Yuta Tsukagoshi
1,2
,
Makoto Kamegaya
2
,
Mitsuaki Morita
2
,
Takashi Saisu
3
,
Jun Kakizaki
3
,
Yohei Tomaru
1,2
,
Hiroshi Kamada
1
,
Masashi Yamazaki
1
1筑波大学医学医療系整形外科
2千葉こどもとおとなの整形外科
3千葉県こども病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, University of Tsukuba
2Chiba Child and Adult Orthopaedic Clinic, Chiba Pediatric Orthopaedic Group
3Division of Orthopaedic Surgery, Chiba Children's Hospital, Chiba Pediatric Orthopaedic Group
キーワード:
二分脊椎
,
歩行能力
,
膀胱直腸障害
,
就労
Keyword:
二分脊椎
,
歩行能力
,
膀胱直腸障害
,
就労
pp.559-563
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201340
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要旨 【背景】二分脊椎に伴う移動能力障害や膀胱直腸障害の程度はさまざまであり,各ライフステージにおいて日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)に大きく関連し,成人期は就労へも影響を及ぼしている.【目的】成人二分脊椎症例に就労状況をアンケート調査し,就労にかかわる影響因子を検討すること.【方法】成人二分脊椎症例40人にアンケートを送付し,就労状況,移動手段,排泄管理状況を調査した.就労状況については過去の職歴も含め,特に退職・転職となった理由については自由回答形式で調査した.移動能力良好群と移動能力不良群の2群で就労状況を比較した.また,おむつを使用していない排泄管理良好群とおむつを使用している排泄管理不良群の2群で就労状況を比較した.【結果】アンケートは,40人中29人(調査時年齢は平均31±9歳)から回答を得た(回答率73%).就労中17人(59%),過去に就労していたが現在は離職5人,就労経験なし7人であり,過去の就労経験も含めると22人(76%)が少なくとも一度は就労できていた.移動能力良好群と移動能力不良群の2群間に就労状況の差はなかった.また,排泄管理良好群と排泄管理不良群の2群間にも就労状況の差はみられなかった.【結論】移動能力および排泄管理と就労状況には明らかな関連はなかった.排泄管理状況よりもその心理的負担が,就労とその継続に重要な要素と考えられた.
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