Japanese
English
特集 脳卒中のリハビリテーション処方
—回復期①運動機能障害主体—回復期リハビリテーションにおけるリハビリテーション処方のありかた
Rehabilitation prescription in convalescent rehabilitation
補永 薫
1
Kaoru Honaga
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
キーワード:
リスク管理
,
装具処方箋
,
家屋評価
,
社会復帰支援
Keyword:
リスク管理
,
装具処方箋
,
家屋評価
,
社会復帰支援
pp.119-124
発行日 2018年2月10日
Published Date 2018/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201217
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はじめに
回復期リハビリテーションは,急性期と生活期をつなぐ重要な期間であり,多くの患者において入院生活はリハビリテーションを中心に進んでいくのが通例である.ただし,対象患者の多くは高齢であり,また,疾患ごとに多彩な臨床症状やさまざまな併存疾患の合併を認めることも多く,医学的にも注意を払わなければならないことが多い.
回復期リハビリテーションは急性期を経て,病状がある程度安定した状態でリハビリテーションを主目的に来るという前提があるが,必ずしもそれは保証されているものではない.近年では急性期においても早期離床,早期リハビリテーションが図られることが多くなってはいるが,回復期リハビリテーションでは運動量の増大とともに循環動態の変動など医学的リスクの増大や生活環境の変化,患者の意識変容による活動性の向上に伴うリスクの増大が認められる.また,リハビリテーションの進捗に伴う身体的な変化や退院への過程における患者・家族の心情のなどにより,患者を取り巻く諸問題はめまぐるしく変化をする.そのため,医師や療法士,看護師,栄養士,薬剤師,義肢装具士,ケアスタッフなど多職種から構成されるリハビリテーションチームが共通の認識をもって,将来的な転帰を目指していく必要がある.その中にあって,リハビリテーション処方箋は,単純な訓練指示箋としての役割だけでなく,一つのコミュニケーションツールとして医療チームの共通認識を成り立たせる役割ももたせる必要がある.
本稿では回復期におけるリハビリテーション処方のあり方や付随する項目について概説する.
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