Japanese
English
研究と報告
障害物跨ぎ動作中の認知課題付加が脳卒中片麻痺患者の転倒リスクに与える影響
Effect of a cognitive task during obstacle crossing on risk of fall in hemiparetic stroke patients.
高取 克彦
1
,
岡田 洋平
1
,
庄本 康治
1
,
生野 公貴
2
,
梛野 浩司
2
,
徳久 謙太郎
2
Katsuhiko Takatori
1
,
Yohei Okada
1
,
Koji Shomoto
1
,
Koki Ikuno
2
,
Koji Nagino
2
,
Kentaro Tokuhisa
2
1畿央大学健康科学部理学療法学科
2西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
1Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Kio-University
2Department of Rehabilitation, Nishiyamato Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳卒中
,
二重課題
,
転倒
Keyword:
脳卒中
,
二重課題
,
転倒
pp.157-162
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101972
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要旨:〔目的〕本研究の目的は,脳卒中患者の障害物跨ぎ動作が認知課題の同時付加により受ける影響を調査し,その影響の大きさを地域高齢者と比較することである.〔対象〕対象は,歩行可能な脳卒中患者20例,および地域高齢者20例であった.〔方法〕課題は歩行路に設置した障害物を跨ぐこととし,動作の失敗数,空間的・時間的指標について,跨ぎ動作単独課題(single-task)と認知課題を同時付加した二重課題(dual-task)の2条件にて群内・群間比較を行った.〔結果〕dual-task下では脳卒中患者6例,地域高齢者3例が動作に失敗した.空間的指標では跨ぎ後の障害物-踵間距離の減少が両群共に認められた.時間的指標では踵接地から障害物クリアランスまでの時間およびストライド時間の増加が両群で認められた.dual-taskによる変化量は,すべての時間的指標において脳卒中患者のほうが大きかった.〔結語〕脳卒中患者の障害物回避動作はクリアランス後に障害物を踵で踏みつける危険性が高く,dual-task下でその傾向が強くなることが示唆された.
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