Japanese
English
特集 障害と体力
障害者の運動と体力
Physical activity and fitness of the disabled.
伊佐地 隆
1
Takashi Isaji
1
1茨城県立医療大学付属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences Hospital
キーワード:
障害者
,
体力
,
運動負荷試験
,
酸素摂取効率勾配(OUES)
Keyword:
障害者
,
体力
,
運動負荷試験
,
酸素摂取効率勾配(OUES)
pp.711-719
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100862
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はじめに
体力に関する研究は,健常者やスポーツ選手を対象にして発展した.循環器病領域で診断と運動処方のために運動負荷試験が取り入れられ,医療や健康関連領域に広がった.
障害者を対象とした体力についても,少しずつではあるが確実に研究が進んできている.しかし,それまでの体力が運動障害のない人を前提に考えられてきたために,また体力測定が運動負荷と切っても切れない関係にあるために,ひとたび対象に運動障害が含まれてくると,明解な答えが出しにくくなってくる.
その原因として考えられるのは,「障害」や「体力」について基本的な共通認識があいまいなこと,体力測定の手法である運動負荷試験についても障害との関係づけがしにくいこと,そして特に,「障害者の体力」とは何を表現したものなのかが,共通の理解として整理されていないことである.
もっとも障害者スポーツのクラス分けのように,障害の種類別に測定方法や測定指標を統一して考えると整理しやすく,議論も発展しやすいので,“障害者の体力”と大きく括るのではなく,現実的にはむしろ“○○障害者の体力”などと障害別に考えるほうがよいのかもしれない.
しかしここではあえて,さまざまな種類の障害を横断的にみて,包括的にとらえることを目的に,障害者の運動と体力について,問題提起的な意味も含めて,少し大胆に私見を述べてみる.
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