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特集 心臓血管リハビリテーションと多職種連携
末梢動脈疾患の治療と多職種連携
Treatment for peripheral arterial disease and team approach with medical staffs
駒井 宏好
1
Hiroyoshi Komai
1
1関西医科大学総合医療センター血管外科
1Department of Vascular Surgery, Kansai Medical University Medical Center
キーワード:
閉塞性動脈硬化症
,
メディカルスタッフ
,
早期発見
,
治療
Keyword:
閉塞性動脈硬化症
,
メディカルスタッフ
,
早期発見
,
治療
pp.801-806
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201048
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末梢動脈疾患の現状
1.定 義
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)とは文字通り身体の末梢に網羅される動脈に生じる疾患をいうが,では「末梢」とはどの部分をいうのであろうか.2015年に改訂された日本循環器学会「末梢閉塞性動脈疾患の治療ガイドライン」では末梢(閉塞性)動脈疾患とは「冠動脈以外の末梢動脈である大動脈,四肢動脈,頸動脈,腹部内臓動脈,腎動脈の閉塞性疾患である」とされている1).つまり身体のほぼ全域におよぶ疾患を扱う分野と考えるべきである.本稿ではこのなかで特に下肢血流障害を招く閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans;ASO)について述べるが,あくまでも本疾患は全身病の一部分症状として診療しなければならないことが常時意識しておかなければならないことである.
ASOはPADのひとつでその名が示す通り慢性的な動脈硬化により血管内腔が閉塞して循環障害を来す疾患である.近年わが国では,以前に動脈閉塞性疾患の多数を占めたバージャー病が激減し,ほとんどは動脈硬化によるものとなってきたのでASOとPADはほぼ同義語として使用されている.
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