Japanese
English
短報
メディカルスタッフと対象者との距離と自律神経活動との関係
The relationship of autonomic nervous activity to the distance between medical staff and subject
伊藤 昭
1
,
上村 佐知子
2
,
田口 晶子
1
,
沖田 裕美
3
,
加藤 健寿
3
Akira Ito
1
,
Sachiko Uemura
2
,
Shoko Taguchi
1
,
Hiromi Okita
3
,
Taketoshi Kato
3
1秋田リハビリテーション学院
2秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
3森岳温泉病院リハビリテーション科
1The Educational Foundation of Core Academy Akita Rehabilitation College
2Department of Physical Therapy, Akita University School of Health Sciences
3Department of Rehabilitation, Moritake Onsen Hospital
キーワード:
自律神経活動
,
距離
,
メディカルスタッフ
Keyword:
自律神経活動
,
距離
,
メディカルスタッフ
pp.373-378
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201927
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要旨 【序論】リハビリテーション施行時における,メディカルスタッフと対象者との距離の検討は,ほとんど行われていない.本研究は,関節可動域運動時のメディカルスタッフと対象者の距離と対象者の自律神経活動の変化から,適切な条件を検討した.【対象】医療群40名と医療外群26名を患者役とし,メディカルスタッフは理学療法士2名とした.【方法】患者役に心拍センサを装着し,一連の関節可動域(range of motion;ROM)運動過程[安静→入室→挨拶位置(2m)→動作確認(1m)→説明(0.5m)→ROM運動(0m)→退室]を,理学療法士の性別の2種と,接触部を上肢と下肢の2群に分け,自律神経活動について計測した.統計学的分析として,自律神経活動と各条件の相関分析から,関係性が示されたものについて,三元配置分散分析を行った.【結果】ROM運動過程と対象者性別に有意差が認められ,これらへの多重比較検定から,自律神経活動と性別,医療学生か否かについて有意な差が認められた.【結論】医療外群は,入室後に実施者の個人空間(personal space;PS)への侵入および距離の短縮から不安や緊張が喚起され,交感神経活動が上昇した.リハビリテーション初心者へのPS侵入の際は,交感神経活動が上昇しやすいと認識し,配慮が必要である.
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