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特集 心臓血管リハビリテーションと多職種連携
周術期の大血管疾患のリハビリテーションと患者指導
Perioperative rehabilitation and education for patients with aortic disease
安達 裕一
1
Yuichi Adachi
1
1公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院理学療法科
1Sakakibara Heart Institute, Department of Physiotherapy
キーワード:
胸部大動脈瘤
,
胸腹部大動脈瘤
,
急性大動脈解離
,
術後リハビリテーション
,
患者教育
Keyword:
胸部大動脈瘤
,
胸腹部大動脈瘤
,
急性大動脈解離
,
術後リハビリテーション
,
患者教育
pp.793-799
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201046
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はじめに
近年,高齢者の増加に伴う大血管疾患罹患率の増加を背景に,大血管疾患に対する手術件数は増加傾向にある(図1)1).これは,コンピュータ断層撮影(computed tomography;CT)や核磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging;MRI)などの画像診断の精度向上や,脳・脊髄などの臓器保護をはじめとする周術期管理の進歩の結果,大血管疾患に対する手術適応が拡大してきたことも影響していると考えられる.
一方で,周術期管理の進歩により,高齢者や合併症保有例など,これまではハイリスクのため手術適応とならなかった症例が,手術を受ける機会が増加している.これらの症例は,周術期における合併症発生のリスクが高く,術後の全身状態管理に難渋することも少なくない.また,大血管疾患に対する手術は,治療の対象となる血管の部位によって発生する合併症のリスクが異なることから,術後のリハビリテーションにおいては,病態や術式の特徴に応じたプログラムを実施することが必要である.
本稿においては,胸部大血管疾患の病態・治療と,それらを踏まえた術後リハビリテーションや患者指導の実際について述べる.
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