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特集 救命救急におけるリハビリテーション
高度救命救急センターにおけるリハビリテーションの現状と課題
Rehabilitation for the patients in the advanced emergency critical care center
皿田 和宏
1
,
對東 俊介
1
Kazuhiro Sarada
1
,
Shunsuke Taito
1
1広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門
1Division of Rehabilitation, Department of Clinical Practice and Support, Hiroshima University Hospital
キーワード:
超急性期医療
,
専従システム
,
専門・多職種連携教育
,
制度改革
Keyword:
超急性期医療
,
専従システム
,
専門・多職種連携教育
,
制度改革
pp.583-589
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200980
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はじめに
集中治療領域において早期リハビリテーション介入の重要性は明らかとなっており,人工呼吸患者に対して早期から理学療法や作業療法を含め,チームとしてリハビリテーション介入をしていくことで日常生活動作(activities of daily living;ADL)を改善し,在院日数を短縮することが明らかとなっている1,2).待機手術を受けるために入院した患者に対しては,手術前からリハビリテーション介入が可能であり,事前に身体機能や精神機能などを把握し,集中治療室(intensive care unit;ICU)入室前までに手術後の早期リハビリテーション介入の重要性を説明することも可能である.一方,重症救急患者においては,入室までに十分な検査を受けているわけでもなく,病態やリスクが十分に把握できている状態ではない.救命救急センター(以下,救命センター)に入室する患者は術後ICUに入室するような患者とは疾患や病態が全く異なり,理学療法の実施内容を段階的に引き上げる判断を行うことがより難しい.
本稿では,当院の救命センターの現状と理学療法士専従システムを紹介し,重症救急患者に対するリハビリテーションの介入効果や多職種連携のための取り組みを説明する.また,重症救急患者に対する早期リハビリテーションを安全に実施するための文化や制度の構築の必要性,リハビリテーション・スタッフの教育と多職種連携を促進するための教育などの課題および今後の展望について述べる.
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