特集 在宅リハと訪問看護の連携を探る
在宅リハビリテーションの現状と課題
石川 誠
1
1初台リハビリテーション病院
pp.168
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100480
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リハビリテーション医療サービスの変遷
1970年代のリハ医療サービスの担い手は主に温泉病院であった。リハは温泉地で療養しながらするものという考え方もあったが,実際の理由はリハに対する診療報酬上の評価が低いため,地代や人件費,建設コストの安い郡部でしか経営が成り立たなかったためである。このため,生活圏とはかけ離れた温泉地にまるで疎開するように,急性期病院から転院する患者さんが多かった。
また,発症からリハが開始されるまでの期間も長かった。急性期病院にリハ機能がなく,さらにリハ病院に転院する時期も遅く,発症から数か月後にリハが開始される時代だったのである。自宅から遠方なため,自宅復帰への調整が難行することが多かった。さらに,自宅復帰しても,その後の継続的なリハ的なフォローアップ体制は皆無に等しかった。外来のリハ医療サービスは乏しく,訪問リハなども存在しなかったからである(図1)。
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