特集 地域医療のトピック―「救急医療」を考えよう
高度救命救急センターからみた救急医療の課題
杉本 壽
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科救急医学
2大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター
pp.539-545
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100760
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原始の時代から人類にとって医の最大の課題は,外傷や急性感染症など急性病態であったことは容易に想像される.
わが国の死亡統計の推移を見ると,1位の悪性新生物を除けば,今も心疾患,脳血管疾患,肺炎,不慮の事故など,急性病態が死因の上位を占めている.人類は突然襲ってくる急性病態に絶えず脅え続けてきたのである.
この急性病態を扱うのが救急医療である.「救急医療は“医”の原点であり,かつ,すべての国民が生命保持の最終的な拠り所としている根源的医療」(救急医療体制基本問題検討会報告書:厚生省健康政策局:平成9年12月11日発表,http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s1211-3.html)と,位置づけられる所以である.
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