連載 健康関連QOL評価法
骨関節疾患に特異的なQOL尺度
鈴鴨 よしみ
1
,
田中 尚文
2
1東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
2帝京大学ちば総合医療センターリハビリテーション科
キーワード:
健康関連QOL
,
患者報告アウトカム
,
特異的尺度
Keyword:
健康関連QOL
,
患者報告アウトカム
,
特異的尺度
pp.727-729
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200688
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前号で述べたように,健康関連QOLを測定するプロファイル型尺度は包括的尺度と疾患特異的尺度に分けられる.疾患特異的尺度は,対象疾患に特徴的な症状や状態が生活に及ぼす影響を測定する.そのため,特定の疾患集団に限定した測定では包括的尺度に比べて高い反応性(継時的な変化を捉える能力)を示す場合が多く,治療による効果を検討する目的で使用されることが多い.一方で,包括的尺度を使用することによって,治療の効果が一般的な生活機能にまで及んだかどうかを測定できる.
疾患特異的尺度の作成段階では,対象疾患患者のインタビューが行われる.患者本人から聴取された日常的な症状,症状が生活に及ぼす影響などに基づいて質問項目内容や測定領域(下位尺度を構成する)が決定される.一般的な測定領域には,身体的,行動的,心理的,社会的な領域が含まれる.
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