連載 健康関連QOL評価法
脳疾患に特異的なQOL尺度
田中 尚文
1
,
鈴鴨 よしみ
2
1帝京大学ちば総合医療センターリハビリテーション科
2東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
キーワード:
健康関連QOL
,
特異的尺度
,
脳疾患
Keyword:
健康関連QOL
,
特異的尺度
,
脳疾患
pp.927-930
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200744
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今回は脳疾患に特異的なQOL尺度の具体例や使い方などについて解説する.健康関連QOLを評価する際には,日常的な症状やその症状が生活に及ぼす影響などについて身体的,行動的,心理的,社会的な領域を含めた質問に患者本人が回答することが原則である.脳卒中や認知症疾患を含む脳疾患では,失語症や記憶障害をはじめとする認知機能障害を伴う例が多いので,脳疾患患者を評価する際には,患者が質問内容を適切に理解して,信頼性のある回答をしているかを確認する必要がある.また,さまざまな症状に対する病識の低下,例えば失語症,半側空間失認,記憶障害など認知機能,片麻痺などの運動機能や感覚機能に対する病識の低下の有無やその程度がQOL評価に与える影響を考慮する必要がある.
本稿では,脳卒中,認知症疾患,およびパーキンソン病を取り上げ,これらに関連する代表的な健康関連QOL尺度のうち,日本語版があり,その信頼性・妥当性などが十分に検証された尺度を中心に紹介する(表).
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