Japanese
English
特集 慢性疼痛とリハビリテーション
薬物療法
Medication
木村 慎二
1
Shinji Kimura
1
1新潟大学医歯学総合病院総合リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Niigata University Medical and Dental Hospital
キーワード:
慢性痛
,
非ステロイド性抗炎症薬
,
オピオイド
Keyword:
慢性痛
,
非ステロイド性抗炎症薬
,
オピオイド
pp.477-482
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200615
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はじめに
痛みを伴う患者に対して,リハビリテーション診療を行うことは少なくない.急性痛を伴い,実際の関節や筋組織に炎症が存在している場合,例えば関節水腫や滑膜炎,外傷後などは積極的に非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs;NSAIDs)の内服などを併用して,リハビリテーション診療を行うべきである.
一方,慢性疼痛に対しての治療方針として,近年,生物心理社会モデルの重要性が指摘されており,その具体的治療法として,運動療法1)および認知行動療法2)の有効性が各種ガイドラインで述べられている.その際に,炎症性および器質的疾患,もしくは精神科疾患などがみられる場合にはその病態に合った薬物治療をできるだけ短期に行い,疼痛の緩和,さらに日常生活動作(activities of daily living;ADL)および生活の質(quality of life;QOL)の改善を目指すことが重要である.本稿では慢性疼痛に対してリハビリテーション診療を行う場合も想定し,薬物療法およびその副作用などについて,特に慢性腰痛,変形性膝・股関節症〔膝osteoarthritis(OA)・股OA〕を中心に述べる.
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