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特集 地域包括ケア時代のリハビリテーション
運動を取り入れた住民主体の介護予防の実践—共通プロセスと課題
Practice of preventive care of residents with the physical activity:common processes and issues
北村 優
1
,
辻 大士
2
Yu Kitamura
1
,
Taishi Tsuji
2
1八千代市健康福祉部健康づくり課
2千葉大学予防医学センター
1Yachiyo city hall health promotion division
キーワード:
介護予防
,
地域
,
通いの場
,
体操
,
運動
Keyword:
介護予防
,
地域
,
通いの場
,
体操
,
運動
pp.287-293
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200556
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はじめに
急速に高齢化が進むなか,厚生労働省は「これからの介護予防」のなかで,「住民自身が運営する体操の集いなど地域に通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進」,「地域づくりを担う市区町村の取り組みが不可欠」と明示した1).そして2015年度から介護予防・日常生活支援総合事業が新設された.運動を取り入れた通いの場を地域に増やすことで介護予防を推進する取り組みの先駆例はすでに全国にみられる.しかしながら,それらのうちプログラムと呼べるような理論や方法が論文にまとめられたものは少ない2).
そこで,本稿では,市区町村等が支援して行った,運動を取り入れた住民主体の介護予防事例の文献をシステマティックに収集しレビューした.住民が主体的に活動を行うまでのプロセスや,支援内容,効果の検証方法について,その共通点と課題をまとめることを目的とした.
【文献収集の方法】
市区町村が支援する運動を取り入れた住民主体の介護予防のなかでも,定期的に住民が集うことのできる通いの場があること,そして,通いの場が立ち上がるまでのプロセスについて具体的な記述のある文献をレビューの対象とした.データベース「CiNii」を用い,図に示した検索語,条件で文献検索を行った(2015年9月30日).このほか,図に示した検索語,条件で抽出された文献の詳細の把握およびより多くの事例を収集することを目的にハンドサーチにより文献を4件,学術大会などの抄録を3件追加した.
最終的に20事例の32文献を対象とした(表)3-34).複数の事例に共通していた住民主体の通いの場に至るプロセスおよび支援内容,効果検証について以下に述べる.
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