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入門講座 緩和ケアとリハビリテーション・4
日本における地域緩和ケアチームとリハビリテーション—リハビリテーション専門職の役割と期待
Palliative care team in the community and rehabilitation in Japan—role and expectation to the therapist
加藤 恒夫
1
Tsuneo Kato
1
1かとう内科並木通り診療所
1Kato & Namiki-dori Hospital
キーワード:
緩和ケアチーム
,
地域ケア
Keyword:
緩和ケアチーム
,
地域ケア
pp.1037-1042
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200418
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はじめに
緩和ケアの定義は近年,欧米を中心に大きな変化をみせている.1990年代以降,対象疾患をがん以外にも拡大しつつある1).しかし日本では現在,緩和ケアの診療報酬上の対象は,緩和ケア算定基準が示すとおり,いまだ「がんとAIDS」のみである2).したがって本稿では,日本の現実にあわせて,緩和ケアの対象を主としてがんに絞り,そのリハビリテーションとのかかわりとして展開する.
2012年,がん治療とリハビリテーションの関連がようやく行政に認知され,診療報酬に収載された3).だがそれはあくまでも,入院中の患者への対応であり,外来や自宅療養中の患者にはまだ対策がなされてはいない.さらに,緩和ケアとリハビリテーションの関連については,患者へはもちろん医療関係者への周知も十分ではなく,緩和ケア病棟においてさえもリハビリテーションが十分に施行されているとは言い難い4).
そのようななか,在宅療養中の終末期がん患者に対するリハビリテーションは,ようやく啓発の端緒についたばかりといっても過言ではない.本稿では,地域連携による在宅緩和ケアを進めてきた筆者の経験に基づき,地域における緩和ケアチームとリハビリテーション職のかかわりについて述べる(緩和ケアとリハビリテーションの症状緩和のかかわりについては,本連載の他論文に譲る).
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