Japanese
English
特集 包括医療システムの中のリハビリテーション
地域リハビリテーションにおけるネットワーク
Notwork of the Community-Based Rehabilitation.
伊藤 利之
1
Toshiyuki Ito
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所
1Yokohama Rehabilitation Center, Counseling Office for Handicapped
キーワード:
包括医療
,
地域リハビリテーション
,
地域ケア
,
ネットワーク
Keyword:
包括医療
,
地域リハビリテーション
,
地域ケア
,
ネットワーク
pp.11-16
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106702
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はじめに
今,我が国では“地域ケア”という用語が流行し,病院や施設ではなく居宅を中心とした地域で,保健・医療・福祉を包括した総合的なケアが受けられる基盤整備が強調されている.この用語は,高齢化社会の到来が現実的となっている実状に鑑み,彼らを病院や施設だけでケアすることの問題,中でもケアに要するコストとマンパワーをどうするのか,住み慣れた自宅の畳の上で死にたい,最後まで家族とともに暮らしたいという切実な願いをどのように実現するのか,という課題の対応策として登場してきたのである.
しかし,いくら用語が流行しても,これらの問題は簡単に解決できるものではなく,各地域が有する文化的土壌や保健・医療・福祉に関する社会資源の程度によって大きく異なってくる.とりわけ,あらゆる地域資源を活用して障害者に“最適な地域ケア”を提供しようとすれば,それらの資源をネットワークすることが必須であり,その場合のコントロールタワーは何処なのか,新たな問題も浮上してくる.
そこで,この小論では横浜市における地域リハビリテーション活動の中から,在宅サービス・システム構築の過程で生じたいくつかの問題を紹介するとともに,ネットワークづくりを中心に若干の私見を述べることにしたい.
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