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特集 リハビリテーション行政
神奈川県におけるリハビリテーション行政の現状と課題
A Prefectural Public Policy for Rehabilitation: A Kanagawa's Case.
阿部 志郎
1
,
大木 勉
2
Shiro Abe
1
,
Tsutomu Ohki
2
1横須賀キリスト教社会館
2神奈川県民生部民生総務室
1Yokosuka Kiristokyo Shakaikan.
2Kanagawaken Minseibu.
キーワード:
地域ケア
,
行政システム化
Keyword:
地域ケア
,
行政システム化
pp.187-191
発行日 1980年3月10日
Published Date 1980/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104286
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はじめに
リハビリテーション行政のとらえ方には2通りある.1つは,各種多様な側面をもち奥行の深いリハビリテーション全体を円滑に推進・助長する行政と広義にとらえるものであり,他は,リハビリテーションの側面のうちの「社会リハビリテーション」の範疇として,障害者福祉対策ともいうべき狭義のとらえ方である.
行政は,いうまでもなく国・都道府県・市町村の各レベルにわかれるが,国レベルのリハビリテーション行政についてはかなり以前から議論されてきたが,地方自治体レベルについては,あまり論じられたことがないようである.
本稿は,狭義のリハビリテーション行政を神奈川県という具体的な地方自治体のなかで考察しようとするものであるが,その内容は私論にならざるをえないことをあらかじめおことわりしておきたい.
ここで,国レベルの課題とされているものを文献などから一応,主として次の通りに整理しておこう.
①リハビリテーション行政が厚生・文部・労働などの各省庁にまたがり,タテ割り行政の弊害のあること.また,各種の施策が障害者のライフサイクルに合わせて位置づけられる必要があること.
②身障者福祉法をはじめとする関係法令を見直し,特に身障等級表・更生医療・各種施設のあり方について整理・検討しなければならないこと.
③専門職員の不足に対し,その養成・確保が緊要であること(医学関係専門職がとかく注目を浴びやすいが,社会・職業関係専門職も全く同様の緊急度が認められなければならない.)
④リハビリテーションの費用負担と給付制度の一元化が実施されるべきこと.
⑤所得保障の体系的整備を図ること.
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