Japanese
English
研究と報告
心臓外科手術後リハビリテーション遅延の特徴—多施設による検討
Characteristics of delayed rehabilitation following cardiac surgery:multicenter study
森沢 知之
1
,
湯口 聡
2
,
大浦 啓輔
3
,
上坂 建太
4
,
加藤 倫卓
5
,
齊藤 正和
6
,
櫻田 弘治
7
,
澁川 武志
8
,
田原 将之
9
,
花房 祐輔
10
,
高橋 哲也
11
Tomoyuki Morisawa
1
,
Satoshi Yuguchi
2
,
Keisuke Oura
3
,
Kenta Kamisaka
4
,
Michitaka Kato
5
,
Masakazu Saitoh
6
,
Koji Sakurada
7
,
Takeshi Shibukawa
8
,
Masayuki Tahara
9
,
Yusuke Hanafusa
10
,
Tetsuya Takahashi
11
1兵庫医療大学リハビリテーション学部
2心臓病センター榊原病院心臓リハビリテーション室
3福山循環器病院リハビリテーション科
4田附興風会医学研究所北野病院リハビリテーションセンター
5常葉大学健康科学部
6日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院理学療法科
7心臓血管研究所付属病院リハビリテーション室
8滋賀医科大学医学部付属病院リハビリテーション科
9東宝塚さとう病院リハビリテーション室
10埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科
11東京工科大学医療保健学部
1Department of Rehabilitation, Hyogo University Health Sciences
2Department of Cardiac Rehabilitation, The Sakakibara Heart Institute of Okayama
3Department of Rehabilitation, Fukuyama Cardiovascular Hospital
4Department of Rehabilitation, Kitano Hospital
5Department of Health Science, Tokoha University
6Department of Physiotherapy, Sakakibara Heart Institute
7Department of Rehabilitation, The Cardiovascular Institute
8Department of Rehabilitation, Shiga University of Medical Science Hospital
9Department of Rehabilitation, Higashitakarazuka Satoh Hospital
10Department of Rehabilitation, Saitama Medical University International Medical Center
11School of Health Sciences, Tokyo University of Technology
キーワード:
冠動脈バイパス手術
,
弁膜症手術
,
心臓リハビリテーション
,
多施設検討
Keyword:
冠動脈バイパス手術
,
弁膜症手術
,
心臓リハビリテーション
,
多施設検討
pp.459-464
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200239
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要旨 [はじめに]心臓外科手術後は順調にリハビリテーションが進行する症例が多くいる一方で,リハビリテーションが遅延する症例も一定数存在する.今回,弁膜症手術後および冠動脈バイパス手術(coronary artery bypass graft;CABG)術後のリハビリテーション遅延例の特徴を全国多施設で調査・検討したので報告する.[対象と方法]対象は全国の9施設で2010年2月〜2012年3月までの間,待機的に弁膜症手術およびCABGが行われた1,526例.術式により弁手術群,CABG群に分け,さらに術後8日以内に100 m歩行が自立したか否かにより順調群と遅延群に分類した.各群の術後リハビリテーションの進行状況(端座位・立位・歩行開始日数,歩行自立日)および患者基本情報,手術日直近の術前検査値,手術情報を比較した.[結果]弁手術,CABG術後のリハビリテーション遅延率は約10%で,手術間での差はなかった.遅延群は順調群に比べリハビリテーション進行が有意に遅延しており,歩行自立日数においてはCABG遅延群と比較して,弁手術遅延群で有意に遅延していた.弁手術群,CABG群ともに遅延群は順調群と比較して有意に年齢が高く,術前腎機能障害,低心機能,貧血が認められ,手術侵襲も大きかった.[結語]歩行自立日は弁手術遅延群で有意に遅延するものの,弁手術群およびCABG群のリハビリテーション遅延の割合および歩行開始日数までの進行には差はない.リハビリテーション遅延の要因として年齢,術前腎機能障害,低心機能,手術侵襲などの関与が示唆された.
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