Japanese
English
実践講座 経頭蓋直流電気刺激の臨床・5
嚥下障害
Clinical use of transcranial direct current stimulation to dysphagia patients
重松 孝
1
,
藤島 一郎
1
Takashi Shigematsu
1
,
Ichiro Fujishima
1
1浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Seirei Hamamatsu City Rehabilitation Hospital
キーワード:
嚥下障害
,
経頭蓋直流電気刺激
Keyword:
嚥下障害
,
経頭蓋直流電気刺激
pp.453-458
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200237
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation;tDCS)は頭蓋の外から大脳皮質に直流電気刺激を与え,大脳皮質の活動性を変化させることができる.リハビリテーション医学の分野で治療手段の1つとして注目されている.さまざまな神経疾患や障害に対する治療の臨床応用が試みられている.
また,嚥下障害は「食べる」機能の障害であり,脳血管障害を代表としてさまざまな神経疾患や外傷などにより生じる.嚥下障害の治療の第一選択はリハビリテーションであり,多くの治療法の報告があるが,病態が複雑であり,エビデンスの確立した治療法は多くない.
筆者は,数年前に上肢機能障害に対する反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)についての報告を知り,当初は嚥下障害のrTMS治療を考えた.しかし,rTMSは高価な機器であり,当時は大学や一部の病院で導入されている程度であった.より安価で中枢を刺激する機器がないかということで,tDCSに白羽の矢を立てた.tDCSの原理や基礎などについてはこれまでの連載ですでに述べられており,本稿では,嚥下運動に関連する部分に絞って述べる.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.