Japanese
English
研究と報告
半側空間無視症状の客観的把握のための評価ツールの開発
Development of the evaluation tool for symptoms with unilateral spatial neglect
河島 則天
1
,
鴨志田 敦史
2
,
中川 雅樹
3
,
野月 夕香理
3
,
山本 正浩
3
Noritaka Kawashima
1
,
Atsushi Kamoshida
2
,
Masaki Nakagawa
3
,
Yukari Nozuki
3
,
Masahiro Yamamoto
3
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所・運動機能系障害研究部
2日本ナショナルインスツルメンツ株式会社
3国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation for Movement Disorders, Research Institute of National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
2National Instruments Inc.
3Division of Rehabilitation, Hospital of National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
脳卒中
,
半側空間無視
,
注意障害
,
反応時間
Keyword:
脳卒中
,
半側空間無視
,
注意障害
,
反応時間
pp.251-257
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200172
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要旨 [目的]タッチパネルディスプレイとグラフィカル開発環境を用いて開発した,半側空間無視症状の客観的把握のための評価ツールの有効性を検証すること.[対象と方法]BIT行動性無視検査(Behavioral Inattention Test;BIT)における線分抹消・星印抹消課題のようなオブジェクト選択課題をベースに,色彩や点滅などによって無視空間への視覚的注意を促すアプリケーションを試作し,右半球病変脳卒中患者8名を対象とした試用評価を実施した.[結果]作業課題に含まれる要素(着色,オブジェクトの消去,点滅やその順序性)によってオブジェクトの見落とし数,所要時間が変化する結果が認められた.また,オブジェクト選択に要する反応時間には左右空間で偏りが認められた.[結語]反応時間の空間分布特性を評価することで,無視症状の客観的把握と軽微な無視症状検出の可能性が示唆された.今後改善を加え,多症例の評価実験を行うことで臨床現場で有効に活用できるリハビリテーション評価ツールに仕上げていく予定である.
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