特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅰ章 投与管理
皮下注×安全な取り扱い
塚本 多恵子
1
1京都第二赤十字病院看護部・外来化学療法センター/がん看護専門看護師
pp.428-431
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_428
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はじめに
皮下注射は皮下組織(脂肪組織と結合組織)に薬液を注入する方法であり,静脈内投与と比較し薬剤の吸収が緩徐である.抗がん薬の皮下投与の利点として,投与前の準備や手技が簡便,血管ルート確保が不要,投与時間が短縮できる,輸液負荷を回避できることなどが挙げられる.がん薬物療法における皮下注射製剤は限られているが(表1)1-5),今後,皮下投与可能な抗がん薬が増えてくると考えられる.薬剤の特徴を理解したうえで,患者に適した手技で皮下注射を行う必要がある.
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