特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅰ章 投与管理
PICC×安全な取り扱い
大内 紗也子
1
1京都大学医学部附属病院看護部管理室/がん看護専門看護師
pp.420-423
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_420
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はじめに
末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)は,「ピック」と呼ばれている.上腕または肘の静脈から挿入し,カテーテルの先端は心臓に直接流れこむ太い中心静脈にまで達する.成人男性では挿入長さが40~45 cmになる(図1).末梢血管に挿入する末梢ラインよりも太い血管に挿入するため,濃度の高い高カロリー製剤を投与する場合や,持続的に細胞障害性抗がん薬を投与する場合に使用することが多い.
本稿では,PICC挿入中の感染管理上の看護ケア,安全なPICCの管理,PICC挿入患者が日常生活の制限をなるべく受けないようなケアの工夫について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023