Japanese
English
研究と報告
高次脳機能障害者の自動車運転における行動特徴と機能特性
Characteristics of driving behaviors and functions in patients with cognitive dysfunction.
田中 創
1
,
伊藤 恵美
2
,
佐藤 千賀子
1
,
落合 祐貴
1
,
福井 めぐみ
1
Hajime Tanaka
1
,
Emi Ito
2
,
Chikako Sato
1
,
Yuki Ochiai
1
,
Megumi Fukui
1
1名古屋市総合リハビリテーションセンター作業療法科
2名古屋大学大学院医学系研究科リハビリテーション療法学専攻
1Department of Occupational Therapy, Nagoya City Rehabilitation Center
2Department of Physical and Occupational Therapy, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
高次脳機能障害
,
自動車運転
,
ドライビングシミュレーター
Keyword:
高次脳機能障害
,
自動車運転
,
ドライビングシミュレーター
pp.455-462
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110499
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要旨:[目的]高次脳機能障害者の自動車運転における行動特徴と機能特性を明らかにし,運転適性に有用な評価について検討する目的で,ドライビングシミュレーター(driving-simulator;DS)を用いて日常的に自動車を運転している健常者と比較検討した.[方法]運転再開を希望する明らかな麻痺のない高次脳機能障害者と健常者を対象に,Trail-Making-Test(TMT),棒反応時間測定,体幹・下肢運動反応検査(任天堂社製Wii-Fit),DSによる運転行動評価(以下,DS評価)を行った.[結果]高次脳機能障害者は,健常者と比べてTMTの所要時間が有意に長く,Wii-Fitの得点が低かった.DS評価では,飛び出しに対するブレーキ反応時間の遅延,空走距離の延長がみられた.[結語]高次脳機能障害者の運転適性を考えるうえでは,配分性注意と情報処理速度に焦点を当てた機能評価と,複雑な状況判断が求められる運転行動評価を組み合わせることが有用であると考える.
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