Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「凶悪」―生活困窮に寄生する犯罪者グループを活写する
二通 諭
1
1札幌学院大学文学部人間科学科
pp.83
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110383
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「凶悪」(監督/白石和彌)は,筆者にとって2013年ベストワンである.原作は,新潮45編集部編のノンフィクション『凶悪―ある死刑囚の告発―』.
物語は雑誌記者の藤井修一(山田孝之)に託された手紙から起動する.差出人は死刑囚須藤純次(ピエール瀧).その主旨は,死刑判決を受けた事件の他に,誰にも話していない3つの殺人に関わっているが,そのすべての首謀者は,自分が先生(リリー・フランキー)と呼んでいた男であり,ついては,そいつが娑婆でのうのうと生きているのが許せないので,この話を記事にして先生を追いつめたい,というものだった.
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