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特集 脳卒中急性期治療の最前線
脳梗塞の治療
超急性期血栓溶解療法
The treatment of cerebral infarction in the acute stage-thrombolytic therapy, tissue-type plasminogen activator;rt-PA.
舩津 世絵良
1
,
湧川 佳幸
1
,
岡田 靖
1,2
Seira Funatsu
1
,
Yoshiyuki Wakugawa
1
,
Yasushi Okada
1,2
1九州医療センター脳血管・神経内科
2九州医療センター臨床研究センター
1Cerebrovascular Unit, Kyusyu Medical Center
2Clinical Research Institute Kyusyu Medical Center
キーワード:
脳梗塞急性期治療
,
血栓溶解療法
,
抗血栓療法
Keyword:
脳梗塞急性期治療
,
血栓溶解療法
,
抗血栓療法
pp.1089-1093
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110327
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はじめに
1990年代以降,コンピュータ断層撮影(computed tomography;CT)および核磁気共鳴画像法(magnetic resonance tomography;MRI)拡散強調画像で脳虚血の早期診断が可能となり,欧米で血栓溶解療法が臨床応用され,虚血性脳卒中の超急性期治療は飛躍的に進歩している.日本全国に脳卒中センターが立ち上がり,一人でも多くの脳梗塞患者を救うことに使命感を燃やす医師が増えてきたのはそれからのことである1,2).わが国でも2005年10月よりようやく遺伝子組み換え型組織プラスミノーゲンアクティベーターであるアルテプラーゼ(recombinant tissue-type plasminogen activator;rt-PA)静注による血栓溶解療法が行えるようになり,現在,超急性期脳梗塞に対する最重要治療として位置付けられている.さらに,2012年8月にはrt-PA静注療法は発症4.5時間以内までと治療適応範囲が拡大され,より的確な診断と治療の判断が要求されるようになった1).一方,超急性期の血栓溶解療法は,迅速な判断で脳梗塞患者のごく一部に実施されるが,その適応を誤ると出血性合併症を発症する可能性が高まる.したがって,この治療法は,十分な設備と体制の整った施設において,適応・禁忌などを熟知し,かつ,十分な経験を持つ医師のもとで,プロトコールを厳格に遵守した状態で実施されなければならない.本稿では超急性期のrt-PAによる静注血栓溶解療法について概説する.
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