学会報告
第73回神奈川リハビリテーション研究会―2012年9月29日(土),於:川崎市産業振興会館
長澤 充城子
1
1れいんぼう川崎
pp.785-788
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110221
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.視覚障害者への録音図書利用訓練―七沢更生ライトホームの取り組み
神奈川県総合リハビリテーションセンター
七沢更生ライトホーム 矢部 健三
新聞や書籍など一般の活字が利用できない視覚障害者は,情報の入手に大きな障害を抱えている.七沢更生ライトホーム(以下,当施設)では,この障害を軽減するために,点字の読みや録音図書利用,パソコン操作などの訓練を行っている.今回は,2011年度に当施設が実施した録音図書利用訓練について報告する.録音図書は,ボランティアによって作製され,点字図書館などを通じて貸し出される.神奈川県ライトセンターや川崎市盲人図書館などの点字図書館では,主に電話で視覚障害者の希望を受け付け,郵送で録音図書を貸し出してきた.近年のインターネットの普及に伴い,2000年以降,全国視覚障害者情報提供施設協会などでは,録音図書のネット配信サービスも開始している.2011年度の当施設利用者38名(平均年齢48.1歳,最年長79歳,最年少19歳)のうち,入所時に録音図書の利用経験があったものは,12名(31.6%)だった.16名(42.1%)の利用者に対し,録音図書再生機の操作や点字図書館利用法の紹介など,訓練を実施した.退所時には,録音図書を利用する者が25名(65.8%)に増えた.今後は,従前の録音図書利用訓練に加え,録音図書のネット配信サービスの紹介・訓練にも積極的に取り組んでいきたい.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.