Japanese
English
調査
ピアサポート活動を行う脊髄損傷当事者の意見―「社会生活講座」の講師アンケートより
Results of a questionnaire survey of persons with spinal cord injury to cooperate in the activities of peer support.
後藤 純子
1
,
中村 恵一
1
,
江口 雅之
1
,
田中 宏太佳
1
Sumiko Goto
1
,
Keiichi Nakamura
1
,
Masayuki Eguchi
1
,
Hirotaka Tanaka
1
1中部労災病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Chubu Rosai Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
ピアサポート
,
セルフヘルプ
,
社会参加
Keyword:
脊髄損傷
,
ピアサポート
,
セルフヘルプ
,
社会参加
pp.767-773
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110214
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要旨:〔目的〕ピアサポート活動として講座の講師を務める脊髄損傷当事者を対象にアンケート調査(のべ24名・実人数20名,回収率80%)を行い,医療現場におけるピアサポートのあり方を検討した.〔結果〕講座が講師自身や患者に与える影響を尋ねたところ,69%以上の講師が講演をして患者の役に立てたと満足感や講師自身のエンパワメントを得ていた.講座に参加した患者が自分自身や将来について考える目標を持つきっかけを得たり,社会復帰への志向や行動力を高めると考える講師は81%以上いた.社会参加への原動力として,障害を持つ友人からの勧めや人的サポートの重要性を挙げる講師が75%いた.情報提供や交流を始める時期として6か月以内が適すると答えたのは,受傷歴21年以上の講師75~100%,受傷歴10年以下の講師25%であり,受傷歴の短い講師に,患者は障害の程度や環境など他者と自分の境遇を比較しやすく,交流より情報提供を早く始めるほうが適すると考える傾向が強かった.〔結語〕講座は講師自身にとってセルフヘルプとして役立ち,患者には情緒的支援やロールモデルの提示による意識・行動変容など,ピアサポートとしての効果が期待できる.医療現場では,患者の心身機能や環境因子に配慮し,実用的な知識を学ぶリハビリテーションの一環として障害当事者と接する場を提供するなど,患者がピアサポートを受け入れやすい状況を設けることが重要だと示唆された.
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