特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
腰椎椎間板ヘルニアの手術症例の検討
池本 和人
1
,
山崎 尭二
1
,
上平 用
1
Kazuto IKEMOTO
1
1鳥取大学医学部整形外科学教室
pp.924-925
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908512
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我々は最近,教室において腰痛や下肢への放散痛,知覚障害などを来たし,臨床症状および各種検査の結果,腰椎椎間板ヘルニアと診断されて,手術的療法を受けた64症例について検討したので報告する.
手術症例数は64症例で男子が47症例,女子が17症例.最高年齢は66歳の男子,最少年齢は17歳の男子であつた.各年代別にみると,30歳代が最も多く17症例(男子12症例,女子5症例),40歳代が14症例(男子9症例,女子5症例),20歳代が13症例(男子9症例,女子4症例),10歳代が9症例(男子7症例,女子2症例),50歳代が8症例(男子7症例,女子1症例),60歳代が3症例(男子3症例),である.手術部位ではL4/5間が39症例,L5/S1間が19症例,L4/3間が4症例,L5/6間が2症例であつた.手術方法に関しては,部分的椎弓切除術が60症例、偏側椎弓切除術が2症例,全椎弓切除術が2症例であつた.このうちで椎間板ヘルニアがみつかつた症例は64症例中,54症例である(83.5%).検出されなかつた症例が10症例(16.5%)であつた.椎間板ヘルニアと誤診された10症例に関してみると,黄靱帯肥厚と癒着の合併したものが5症例,静脈瘤が2症例,骨棘による圧迫が2症例,原因不明が1症例であつた.腰椎椎間板ヘルニア剔出のあと,ただちに脊椎後方固定術を受けた症例は,64症例のうち6症例であつた.
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