Japanese
English
特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より)
主題 特異病態
腰椎椎体終板部病変の検討―腰痛および腰椎不安定性へのアプローチ
Vertebral Endplate Lesion: Assessment of Segmental Instability and Low Back Pain
豊根 知明
1
,
高橋 和久
1
,
山縣 正庸
1
,
村上 正純
1
,
高橋 弦
1
,
森永 達夫
1
,
北原 宏
1
,
守屋 秀繁
1
Tomoaki Toyone
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰椎椎間板障害
,
lumbar disc lesion
,
不安定性
,
segmental instability
,
椎体終板
,
vertebral endplate
,
腰痛
,
low back pain
,
MRI
Keyword:
腰椎椎間板障害
,
lumbar disc lesion
,
不安定性
,
segmental instability
,
椎体終板
,
vertebral endplate
,
腰痛
,
low back pain
,
MRI
pp.427-433
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901093
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抄録:腰椎椎間板障害500例のMRIを観察し,88例に椎体終板部および骨髄の輝度変化を認めた.特にT1強調像における輝度変化は臨床症状との関連性が高く,これを低輝度群(type-1)と高輝度群(type-2)の2群に分類した.低輝度群38例では,腰痛(JOAスコア1点以下)ならびに前後屈X線上の椎間不安定性を高頻度に認め,高輝度群50例との間に有意差(P<0.005)がみられた.術中標本の病理組織は,低輝度部分で骨梁の肥厚および線維血管性骨髄を,高輝度部分では脂肪性骨髄の所見を呈した.臨床的に低輝度病変は不安定期を,高輝度病変は再安定期を示しており,これは椎間板障害がもたらす力学的ストレスの変化に起因すると考えられた.従来不安定性の診断は矢状面での可動性に基づいてきたが,椎体終板部病変は不安定性が惹起した生体内での病的状態を表現していると思われる.
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