連載 障害者スポーツ【新連載】
障がい者スポーツによる生活習慣予防・アンチエイジング
樋口 幸治
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部
キーワード:
障がい者スポーツ
,
パラリンピック
,
健康づくり
Keyword:
障がい者スポーツ
,
パラリンピック
,
健康づくり
pp.76-77
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109998
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運動とスポーツの現状
健康に日々の生活を送るため,スポーツや運動が有用であることは,周知の事実である.わが国では,2011年6月に「スポーツ基本法」が公布され,すべての国民にスポーツ権利が保障された.2012年3月には,「スポーツ基本計画」が策定され,その役割が明確となった.また,「健康日本21(第2次)」(2012年7月)の改正により健康やスポーツにかかわる環境は急速に整いつつある.
今年は,障がい者スポーツの祭典であるロンドン2012パラリンピック競技大会が開催され,障がい者アスリートがさまざまな種目で,最高のパフォーマンスを発揮し,多くの感動とその可能性の高さを示してくれた.このパラリンピックで,日本パラリンピック委員会発表1)の日本代表選手の状況をみると,参加選手の平均年齢は,33.5±9.8歳,最高齢は64歳(卓球),最年少は17歳(水泳,ゴールボール)と幅が大きいことに気づく.また,年齢構成は,図1に示すように約25%がベテランの中高年選手である.これらをオリンピックと同様な種目に置き換えると,その年齢との関係は異なる.これは,積極的にスポーツを行うことが,障がい者の心身機能を競技という高いレベルで維持・向上させることを表しているのではないだろうか.
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