連載 体力向上のための運動プログラム
慢性心不全患者の運動療法プログラム
大宮 一人
1
1聖マリアンナ医科大学循環器内科
キーワード:
慢性心不全
,
運動療法
,
嫌気性代謝閾値
,
最高酸素摂取量
,
レジスタンストレーニング
Keyword:
慢性心不全
,
運動療法
,
嫌気性代謝閾値
,
最高酸素摂取量
,
レジスタンストレーニング
pp.73-75
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
慢性心不全(chronic heart failure;CHF)とは,心臓の機能障害が原因で生じるうっ血と運動制限を主体とする症候群名であり,原因疾患は何であれ,すべての心疾患の終末像の一つと考えられている.以前の治療は第一に安静であり,労作は増悪因子として長い間禁忌とされてきた.しかし,昨今ではアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme;ACE)阻害薬や交感神経β受容体遮断薬(beta-adrenergic blocking agent;β遮断薬)などの治療薬,心室再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)などのデバイス治療,和温療法や心筋再生治療など,CHF患者に対する多様な治療法が進歩したことにより予後の改善がなされてきた.2006年4月の診療報酬改訂により,CHF患者の心大血管リハビリテーション料算定が認められたことより,現在ではわが国でも積極的治療法の一つとして運動療法が広く行われている.そういった背景をふまえ,本稿では,CHF患者に対する運動療法プログラムについて概説する.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.