連載 リオパラリンピックレポート—東京パラリンピックへの道
ボッチャ
片岡 正教
1,2
Masataka Kataoka
1,2
1大阪府立大学地域保健学域総合リハビリテーション学類理学療法学専攻
2一般社団法人 日本ボッチャ協会
キーワード:
障がい者スポーツ
,
パラリンピック
,
脳性麻痺
Keyword:
障がい者スポーツ
,
パラリンピック
,
脳性麻痺
pp.367-371
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200921
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ボッチャの概要
ボッチャは,四肢や体幹に重度の機能障害がある脳性麻痺者が参加できるようヨーロッパで考案されたパラリンピックの正式競技であり,ジャックボールと呼ばれる白の的球に,赤と青それぞれ6球のカラーボールを相手よりいかに近づけられるかを競うターゲットスポーツである.脳性麻痺者を対象に行われてきたボッチャは,頸髄損傷や筋ジストロフィーなど,非脳原性疾患による重度四肢麻痺者も対象とするようになった.2013年1月に国際ボッチャ競技連盟(Boccia International Sports Federation;BISFed)が統括団体となり,現在は世界50以上の国や地域がBISFedに加盟し,広く楽しまれているスポーツである.日本ボッチャ協会に登録している会員は500名程度で,そのうち選手として登録している者は約230名,うちパラリンピックに関係するクラス(後述)の選手は約150名である.他は審判員や競技アシスタント,普及員などとしての登録である.
ボッチャは自身で投球できない選手も,競技アシスタントを擁し,「ランプ」と呼ばれる競技用補装具(勾配具)を用いることでボールを転がし,競技に参加することが可能となっている.パラリンピック競技の中でも最重度の障がい者が競技用補装具を用いて参加できる競技であるといえる.
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