Japanese
English
特集 透析患者のリハビリテーション—運動制限から運動療法へ
運動療法の実際
Physical exercise for hemodialysis patients
松嶋 哲哉
1
,
松嶋 肖子
2
Tetsuya Matsushima
1
,
Shoko Matsushima
2
1(医)才全会賀茂クリニック
2(医)才全会九州体力医学研究所
1Kamo Clinic, Medical Institute Saizenkai
キーワード:
血液透析
,
運動療法
,
嫌気性代謝閾値
,
メディカルチェック
,
抗重力筋
Keyword:
血液透析
,
運動療法
,
嫌気性代謝閾値
,
メディカルチェック
,
抗重力筋
pp.433-442
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200233
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はじめに
近年,多くの学会で運動療法が注目され,ガイドラインの整備もなされてきた.日本循環器学会を筆頭に合同研究班が策定した,「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」を始め,日本整形外科学会が提唱する「ロコモ」への取り組み,厚生労働省が中心となって展開した「メタボ」対策,その他にも高血圧症,糖尿病,脂質異常症など多くの疾患において,短期的あるいは中〜長期的な運動療法の効果が多数報告されている.具体的には,運動耐容能の改善や筋力の増強によって,日常労作の相対的運動強度が低下し,日常生活における諸症状が改善に伴い日常生活動作(activity of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)が改善・向上するといわれている1).さらに心機能や換気機能,自律神経機能や末梢循環などの改善,冠危険因子の是正や生命予後の改善も認められており1),その効果は明らかである.
一方,透析患者の運動療法に関しても,数年前に「透析運動療法研究会」や「日本腎臓リハビリテーション学会」が立ち上げられ,その効果について次第に周知されてきた.しかしながら,未だに多くの透析施設から「運動療法を導入し」「安全で効果的に提供する」ノウハウが不足しているという悩みもたくさん寄せられる.
そこで本稿では,運動療法の基本から導入時のノウハウ,運動処方,実際の運動プログラムなどを紹介したい.
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